よく分からないから好き?よく分からないから嫌い?
Aさんって何考えてるかよく分からないから苦手なんです。
会社の後輩の発言だ。Aさんは、私とその後輩にとって、先輩にあたる人。でも私は正直、その発言にびっくりした。そして、その発言にびっくりした自分を見つけてびっくりしている。
私にとっては、よく分からないということは魅力であり、価値だったから。よく分からないから好き、はあっても、よく分からないから苦手、は私の感覚ではなかった。
Aさんは確かにとっつきにくい。何を考えているかよく分からないし、ぼやーってしているように見える。だけど、仕事はできるし、よく分からないその頭から色んなワクワクする発想が生まれてくる。
とっつきにくい上に、いつ機嫌が悪くなるか分からないし、余計な口出しをしてきたりするけど、トータルでは私はAさんのことが好きだ。
逆になぜ私がAさんのことが好きでいられるかというと、私にはない発想と仕事をさらっとこなす能力が、私が憧れているものだからだろう。自分にはなくて、かつ自分が欲しいものを持っているから好意を持てるのだろう。
ということは、
よく分からない、かつ憧れポイントがある
場合は好き、という感情になり、
よく分からない、かつ憧れる点がない
場合はやはり件の後輩のように苦手意識を持つようになるのだろうか。
式にするとこんな感じ?
未知+憧れ→好意
未知+憧れなし→苦手
この図式が誰にでも当てはまるとすると、後輩はAさんに対して憧れの感情などないのだろう。(相当苦手そうだった)
後輩にとっては仕事ができることも発想豊かなことも優先されることではなく、それよりも大事な特性があるんだろうなあ。
あぁ、それにしても。
分かりやすい性格が好かれるのか。喜怒哀楽がストレートで、単純。そりゃそっちの方が人間として可愛いんだろうよ。人間は本能的に、分かりやすい、把握できることに安心感を覚え、好感を持つものなのか。
私は素直になれなくて、素直な人間にほんのり羨ましい感情を持ち続けながら、今日もひねくれていくのだろう。